「ほとんど噛まずに飲み込んでしまう」
「やわらかいものばかり食べたがる」
「食事がものすごく早い」
子どもの食べ方を見て、気になったことはありませんか?
結論からいうと、噛むことは、ただ食べものを細かくするだけではありません。
子どもは食べながら、
噛む。
舌を動かす。
飲み込む。
唇を閉じる。
顎を動かす。
という口の機能を少しずつ身につけていきます。
厚生労働省も、幼児期にはさまざまな食べものを味わう経験を通して咀嚼機能が発達するとしています。
だから大切なのは、
「硬いものを食べさせること」ではなく、その子の発達に合った食べものを、きちんと噛む経験を重ねていくこと。
毎日の食卓で少し意識してみましょう。
食生活を含む生活様式の変化と、子どもの口腔機能の発達との関係は、歯科の現場でも問題として捉えられています。
日本小児歯科学会は2026年、近年、食生活などの生活様式の変化に伴って、口腔機能の発達に遅れがあったり、適切な機能が身についていなかったりする子どもが多くみられると公表しました。
そのチェック項目には、
硬いものを食べない
食べるのが極端に早い・遅い
食事中に音がする
口をぽかんと開けている
舌の使い方に癖がある
なども含まれています。
つまり、
「食べられているから問題なし」ではなく、“どう食べているか”を見ることも大切
ということです。
噛む機能と顎・顔の発達には関係があります。ただし、「硬いものを食べれば歯並びが良くなる」と単純には言えません。
咀嚼筋の働きと頭蓋・顎顔面の成長には関連があることが、これまでの実験研究や臨床研究で示されています。
また、日本小児歯科学会も、口腔機能が適切に獲得されていない状態が続くと、顔貌や歯並び、かみ合わせに影響を及ぼす場合があるとしています。
一方で、歯並びや顎の形は、
遺伝。
歯の大きさ。
顎の成長。
口呼吸。
舌や唇の使い方。
指しゃぶりなどの習慣。
そして食べ方。
さまざまな要素が関係します。
だから、
「やわらかいものを食べたから歯並びが悪くなった」
と親が自分を責める必要はありません。
ただ、
口や顎を使う機会を日常の中で減らしすぎないことは大切。
そこは意識していいと思います。
はい。食品の硬さによって、子どもの噛む回数や噛む時間、顎の動き、筋肉の使い方が変化することが研究されています。
2026年に発表された子どもの研究をまとめたレビューでは、硬さの異なる食品によって、
乳児では噛む回数や時間。
幼児では顎の動きや筋肉の協調。
学童期では咀嚼の動きや筋活動。
などに違いがみられました。
また、日本の6〜12歳の子どもを対象にした小規模臨床試験では、硬めのグミを一定期間噛むことで、咬合力や咀嚼能力などの改善がみられています。
ただし、研究はまだ十分ではありません。
だから、
「硬いものを食べれば顎が必ず大きくなる」
ではなく、
「食べものの食感は、子どもが口や顎をどう使うかに影響する」
くらいに捉えるのが現在の研究には合っています。
いきなり硬い食品に変えるのではなく、今より“少し噛める食感”へ調整してみましょう。
日本小児歯科学会では、1〜2歳頃に丸のみが気になる場合、
少し噛みやすい食形態へ調整したり、
やわらかく煮た野菜を少し大きめに切ったりして、
噛む習慣をつけていく方法を紹介しています。
たとえば、
いつもペーストなら、少しだけ粒を残す。
やわらかく煮た根菜を、噛める大きさにする。
お肉や魚も、その子が噛み切れる形にする。
同じ食材でも、少しずつ食感を変えていく。
「硬くする」より「噛めるものを増やす」。
この考え方の方が安全です。
噛む習慣をつけようとすると、
「30回噛んで!」
と回数を数えたくなるかもしれません。
でも、子どもにとって食事が訓練になってしまうと続きません。
それより、
「このにんじん、どんな音する?」
「これはさっきより噛みごたえあるね」
「モグモグできたね」
と、食感そのものを楽しむ。
家族も一緒にゆっくり食べる。
食卓で大人が噛む姿を見せる。
厚生労働省も、幼児期には大人が一緒に噛むまねを見せるなどして、噛むことを身につけるよう配慮することを示しています。
噛むことを宿題にしない。
これも大切です。
食べものを口に入れるたびに水やお茶で流し込むような食べ方をしていると、
「ちゃんと噛めているかな?」
と気になりますよね。
水を飲むこと自体が悪いわけではありません。
でも、
いつも飲みもので流さないと飲み込めない。
食べものをほとんど噛まずに飲み込む。
むせることが多い。
口の中に長くため込む。
といった様子が続くなら、単なる癖ではなく、今の食形態がその子の咀嚼・嚥下機能に合っているかを確認するサインになります。
無理に水分を制限するのではなく、
「この子が安全に噛んで飲み込める形かな?」
を見てあげてください。
ここは、とても大切です。
噛む力を育てたいからといって、幼い子どもに硬い食品を与えるのは危険です。
消費者庁は、硬くてかみ砕く必要のある豆やナッツ類について、5歳以下の子どもには食べさせないよう注意喚起しています。
奥歯が生えそろわず、噛み砕く力や飲み込む力が十分でないため、窒息や誤嚥につながることがあるからです。
つまり、
「噛む力を育てる=硬いナッツや豆を食べさせる」ではありません。
年齢と発達に合った硬さ、大きさ、形を選ぶことが最優先です。
特別なトレーニングをしなくても、日常の食卓でできます。
たとえば、
やわらかく煮た根菜を少し大きめにする。
いつものごはんに、いろいろな食感のおかずを組み合わせる。
一口を急いで飲み込ませない。
食事中は座って、食べることに集中する。
家族も一緒にゆっくり噛む。
子どもの発達に合わせて、少しずつ食感の幅を広げる。
「硬い食品を追加する」のではなく、「口を使う経験を増やす」。
この考え方なら、毎日の食事にも取り入れやすくなります。
BihadaizのSoyChipsやSoybôuは、子どもの顎を発達させたり、歯並びを良くしたりするための商品ではありません。
ここは明確に分けておきたいところです。
Bihadaizは、国産有機大豆を使い、大豆そのものの味や食感を楽しむことを大切にしている食品ブランドです。公式サイトでも、SoyChipsについて「噛むほど広がる香ばしさ」、Soybôuについてはナッツの食感などが紹介されています。
十分に噛む力・飲み込む力が育ち、その商品の形状を安全に食べられる年齢になった子どもなら、
「よく噛んで味わうおやつ」の選択肢のひとつ
として楽しむことはできます。
ただし、乳幼児の噛む練習用として使う食品ではありません。
特にナッツ類など硬い食材を含む食品は、年齢や商品の原材料・形状を必ず確認し、子どもの発達に合わせて安全を最優先してください。5歳以下への硬い豆・ナッツ類については、消費者庁も窒息・誤嚥への注意を呼びかけています。
発達途中ではうまく噛めないこともあります。ただ、丸のみが習慣になっている、むせる、口の中にためるなどが続く場合は、食べものの硬さ・大きさ・形を見直してみましょう。気になる状態が続けば、小児歯科などに相談できます。
硬い食品を食べるだけで歯並びが良くなるとはいえません。歯並びには遺伝や顎の成長、口腔習癖、呼吸など多くの要因が関係します。ただし、咀嚼機能と顎顔面の発達には関連があり、発達に合った噛む経験を重ねることは大切です。
小児歯科で相談できます。日本小児歯科学会では「硬いものを食べない」「食べる速度がおかしい」「口をぽかんと開けている」などを口腔機能発達不全の確認項目として挙げています。
よく噛めば頭が良くなる。
よく噛めば性格が落ち着く。
よく噛めば必ず歯並びが良くなる。
そんなふうに、ひとつの行動ですべてが決まるわけではありません。
でも、
食べることそのものが、子どもの口の機能を育てる経験であることは確かです。
噛む。
舌を動かす。
飲み込む。
いろいろな食感を知る。
その積み重ねによって、子どもは少しずつ「食べる力」を身につけていきます。厚生労働省も、乳幼児期には発達に合わせた食形態を通して咀嚼・嚥下機能を育てることを重視しています。
だから、
硬いものを無理に食べさせなくていい。
回数を数えて叱らなくていい。
その子が安全に噛める食感を、毎日の中からなくさない。
Bihadaizが「噛むこと」を伝えたい理由も、そこにあります。
食事がトレーニングではなく、
「これ、おいしいね」
「よく噛むと味が変わるね」
そんな会話のある時間になれば十分です。
子どもの「食べる力」は、毎日のひと口から少しずつ育っていきます。
※本記事は、子どもの咀嚼・口腔機能についての一般的な情報です。噛みにくそう、丸のみやむせが続く、極端に食べるのが早い・遅い、口を常に開けている、歯並びやかみ合わせが気になるなどの場合は、小児歯科・歯科医師などへご相談ください。また、食品の硬さや大きさは年齢だけでなく、その子の咀嚼・嚥下機能に合わせ、安全を最優先してください。