どうして今、子どものアレルギーが増えているの?

腸・皮膚・食事から考える、子どもの免疫とのつき合い方

保育園や幼稚園、小学校で、

「食物アレルギーの子が増えた気がする」
「花粉症の子がすごく多い」
「アトピーの子も珍しくない」

と感じることはありませんか?

実際、厚生労働省の2026年のアレルギー疾患対策推進協議会でも、学童期では食物アレルギー、アナフィラキシー、アレルギー性鼻炎などに増加傾向がみられることが報告されています。

では、なぜ増えているのでしょうか。

結論からいうと、原因はひとつではありません。

遺伝的な体質。

皮膚のバリア機能。

腸内細菌。

食生活。

生活環境。

アレルゲンに触れる時期や方法。

さまざまなものが重なって、アレルギー疾患の発症に関わると考えられています。厚生労働省も、アレルギー疾患は「多様で複合的な要因」を持つ疾患としています。

だから、

「親が何かを間違えたから」
「この食品を食べたから」

と、ひとつの原因に決めつける必要はありません。


アレルギーと「腸」は、本当に関係あるの?

はい。腸内細菌と免疫、アレルギーとの関係は、現在かなり研究されている分野です。

腸は、食べものを消化・吸収するだけの場所ではありません。

腸には多くの免疫細胞が存在し、腸内細菌と免疫系が相互に関わりながら、外から入ってきたものにどう反応するかという免疫の調整にも関係しています。

分子栄養の分野で、

「腸内環境を整えることが大切」

と考えるのには、こうした背景があります。

ただし、

「腸を整えればアレルギーにならない」

とまで単純化することはできません。

腸は大切。

でも、アレルギーは腸だけで決まるわけではない。

この両方を知っておくことが大切です。


プロバイオティクスは、アレルギーに意味があるの?

プロバイオティクスについては、実際に多くの研究があります。特に乳児湿疹やアトピー性皮膚炎では、有益な結果を示す研究があります。

2025年に38件のメタ解析をまとめたアンブレラレビューでは、プロバイオティクス・プレバイオティクス・シンバイオティクスを含む介入によって、小児のアトピー性皮膚炎の発症や重症度が低下する傾向が報告されました。

2026年のレビューでも、プロバイオティクスは子どものアトピー性皮膚炎や湿疹に有益な可能性が示されています。

一方で、

喘息。

アレルギー性鼻炎。

食物アレルギー。

すべてのアレルギー疾患を予防できることが確認されたわけではありません。

2025年のCochraneレビューでも、乳児へのプロバイオティクスをすべてのアレルギー疾患の予防目的で一律に勧められるほど、結果は確定していないとされています。

つまり、

「プロバイオティクスは意味がない」でも、
「飲めばアレルギーを予防できる」でもありません。

菌株、摂る時期、対象となる子どもによって結果が変わる。

ここまで分かってきた、という段階です。


プレバイオティクスも「腸内細菌を育てる」方法のひとつ

プロバイオティクスが「菌を取り入れる」という考え方なら、

プレバイオティクスは、腸内にいる細菌が利用できる成分を食事から届ける

という考え方です。

代表的なのが、

食物繊維。

オリゴ糖。

などです。

プレバイオティクスについてもアレルギーとの関係を調べた研究がありますが、結果はまだ一定していません。

たとえば、2025年に発表された652人の妊婦を対象としたランダム化比較試験では、妊娠中から授乳期までGOSとFOSを摂取しても、1歳までの乳児湿疹を減らす効果は確認されませんでした。

一方で、プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせた過去の研究では、湿疹やアトピー性湿疹が少なかったという結果もあります。

だから、

「プレバイオティクス=アレルギー予防」

とは言いません。

でも、腸内細菌のエサになる食品を普段の食事から摂ること自体は、腸の健康を考えるうえで大切です。


「腸にいいからヨーグルト」でいいの?

ヨーグルトは選択肢のひとつですが、すべての子に合う食品ではありません。

ヨーグルトには乳酸菌などが含まれ、プロバイオティクスを取り入れる方法になる場合があります。

ただし、ここでは二つのことを分けて考える必要があります。

ひとつは、牛乳アレルギー

もうひとつは、乳糖不耐症です。

牛乳アレルギーでは、牛乳タンパクのカゼインや乳清タンパクが問題になります。

日本小児アレルギー学会によると、牛乳の主要なアレルゲンにはカゼインとβ-ラクトグロブリンがあり、特にカゼインは加熱しても変性しにくい性質があります。

そのため、牛乳アレルギーの子に、

「腸活のためにヨーグルトを食べよう」

とは言えません。


乳糖不耐症と牛乳アレルギーは別のもの

乳糖不耐症は、乳糖を分解するラクターゼの働きが弱く、お腹が張ったり下痢をしたりする状態です。

これは、牛乳タンパクに免疫が反応する牛乳アレルギーとは別のものです。

日本人成人でも、乳糖を消化する能力には個人差があることが研究されています。

ただし、

「日本人にはヨーグルトが合わない」

と一括りにすることもできません。

むしろ乳糖を消化しにくい人でも、ヨーグルトは牛乳より乳糖を消化しやすいことを示した研究があります。ヨーグルトに含まれる乳酸菌のβ-ガラクトシダーゼなどが関係すると考えられています。

だから、

「ヨーグルトは全員に必要」でも、
「日本人には乳製品は合わない」でもない。

その子の体質や症状に合わせて考えることが大切です。


食物アレルギーでは「腸」だけでなく「皮膚」も大切

近年、食物アレルギーを考えるうえで特に重要になっているのが、皮膚のバリア機能です。

日本小児アレルギー学会では、小児の食物アレルギー発症リスクの中でも、アトピー性皮膚炎が重要なリスク因子であるとしています。

だから、

湿疹がある。

皮膚をかき壊している。

炎症が長く続いている。

そんなときに、

「腸活すればいいかな」

だけで終わらせないこと。

必要なスキンケアや治療を受けて、皮膚の炎症をきちんと整えることも大切です。

腸も見る。
皮膚も見る。

どちらか一方ではありません。


アレルギーが怖いから、卵や大豆を遅らせた方がいい?

アレルギー予防を目的に、原因になりやすい食品をむやみに遅らせることは、現在は推奨されていません。

これは、以前とは考え方が大きく変わってきたところです。

日本小児アレルギー学会も、食物アレルギー予防のために離乳食や卵などの開始を遅らせることは推奨していません。

ただし、

早ければ早いほどいい。

何でもどんどん食べさせればいい。

という意味でもありません。

強い湿疹がある。

すでにアレルギーを指摘されている。

以前食べたときに症状が出た。

そんな場合は、小児科やアレルギー専門医と相談しながら進めます。


大豆は「アレルギー予防食品」ではありません

ここは、Bihadaizだからこそ、はっきりお伝えしたいことです。

大豆を食べればアレルギーを予防できる、ということではありません。

大豆そのものが食物アレルギーの原因になる子もいます。

大豆アレルギーと診断されている場合には、大豆食品を食べることはできません。

では、大豆の良さはどこにあるのでしょうか。

そのひとつが、食物繊維を含む植物性食品であることです。


大豆の食物繊維は、便通を支える食品のひとつ

食物繊維は、便の量や排便回数などに関係します。

厚生労働省のe-ヘルスネットでも、食物繊維摂取量の増加は、

排便量の増加。

排便回数の増加。

消化管通過時間の短縮。

などとの関連が報告されています。

だから、大豆は、

「アレルギーを防ぐ食品」ではなく、食物繊維を摂り、便通や腸内環境を支える食品のひとつ

と考えるのが自然です。

大豆だけでなく、

野菜。

果物。

海藻。

きのこ。

穀類。

豆類。

いろいろな食品から食物繊維を摂っていきましょう。


加工食品や砂糖を食べると、アレルギーになるの?

「加工食品や砂糖を食べるとアレルギーになる」と単純に断定することはできません。

でも、

パンだけ。

お菓子だけ。

ジュースだけ。

麺だけ。

という食事が続けば、野菜や豆類、魚など、ほかの食品を食べる機会が少なくなります。

だから、

「全部禁止する」

ではなく、

何かひとつ足してみる。

パンなら卵やスープ。

麺なら野菜やたんぱく源。

おやつだけなら果物や大豆食品。

そんな小さな工夫でいいのです。


子どものアレルギーが心配なとき、家庭でできること

特別な「免疫強化食」を探さなくても大丈夫です。

まずは、

湿疹を放置しない。

アレルギー予防のためだけに食品を不必要に遅らせない。

診断されていない食品を自己判断で除去しない。

食べられる食品を少しずつ増やす。

野菜・果物・穀類・豆類などから食物繊維を摂る。

よく眠る。

外で体を動かす。

そして、症状があれば医療につなぐ。

それで十分です。


Bihadaizも「アレルギー対策食品」ではありません

Bihadaizは、国産有機丸大豆100%を使った大豆食品ブランドです。

でも、

アレルギーを治す。

アレルギーを予防する。

免疫を高める。

ための食品ではありません。

大豆を問題なく食べられる子どもなら、

お味噌汁。

スープ。

カレー。

普段の家族の料理。

そんな食卓に、大豆食品をひとつ増やす選択肢として使うことができます。

Bihadaizが大切にしているのは、

「これを食べれば大丈夫」ではなく、食事全部を変えずに、今の食事にひとつ足すこと。

野菜を足す日。

果物を足す日。

魚を足す日。

大豆を足す日。

いろいろな食品を食べる経験を、少しずつ増やしていきましょう。


よくある質問

腸内環境を整えれば、アレルギーは治りますか?

腸内細菌とアレルギーには関係がありますが、腸内環境を整えるだけでアレルギーが治るとはいえません。

プロバイオティクスなどでアトピー性皮膚炎や湿疹に有益な結果を示す研究はありますが、すべてのアレルギー疾患に同じ効果が確認されているわけではありません。

ヨーグルトは子どもの腸活に必要ですか?

必ずしも必要ではありません。

ヨーグルトが合う子もいますが、牛乳アレルギーではカゼインなどの牛乳タンパクに反応するため、自己判断で食べることはできません。

ヨーグルトだけに頼らず、野菜、果物、豆類、穀類などから食物繊維を摂ることも大切です。

大豆を食べればアレルギー予防になりますか?

いいえ。

大豆はアレルギー予防食品ではなく、大豆自体がアレルゲンになる子もいます。

大豆を問題なく食べられる子にとっては、たんぱく質や食物繊維などを摂る普段の食品のひとつとして考えます。

アレルギーが心配なので、卵や大豆を遅く始めた方がいいですか?

食物アレルギー予防を目的として、原因になりやすい食品の開始時期を一律に遅らせることは推奨されていません。

ただし、強い湿疹やアレルギー歴がある場合は、医師に相談しながら進めてください。


「原因をひとつに決めない」ことも大切

子どもにアレルギーがあると、

「食事が悪かったのかな」

「腸内環境をもっと整えればよかった?」

「妊娠中の私の食生活が悪かった?」

と、親は原因を探したくなることがあります。

でも、アレルギーはそんなに単純ではありません。

腸も関係する。
皮膚も関係する。
体質も関係する。
生活環境も関係する。

だからこそ、ひとつだけを悪者にしなくていいのです。

分子栄養の視点から腸内環境を見ること。

食物繊維やプレバイオティクスを意識すること。

必要な医療を受けること。

皮膚を適切にケアすること。

どれか一つではなく、使える知識を組み合わせていけばいい。

Bihadaizも、

「大豆を食べればアレルギーにならない」

ではなく、

毎日の食卓に、食べられる食品をひとつ増やしていくための選択肢

でありたいと考えています。


※本記事は、子どものアレルギーや食事、腸内環境についての一般的な情報です。すでに食物アレルギーと診断されている場合や、食後にじんましん、繰り返す嘔吐、咳・喘鳴、呼吸困難、顔や唇の腫れなどがみられた場合は、自己判断で食べ続けたり除去を始めたりせず、小児科・アレルギー専門医などへご相談ください。