痩せるためにマンジャロ・リベルサスを使ってもいい?GLP-1・GIP/GLP-1薬を正しく知る

「マンジャロで簡単に痩せた」

「リベルサスなら飲むだけで体重が落ちる」

SNSなどで、そんな情報を目にすることがあります。

実際、GLP-1受容体作動薬やGIP・GLP-1受容体作動薬には、食欲や食事摂取量に影響し、体重が減少する作用があります。

でも、最初に知っておきたいことがあります。

これらの薬そのものが悪いわけではありません。

糖尿病や肥満症など、医学的に治療が必要な人にとっては、大切な治療薬です。

問題なのは、治療が必要かを確認しないまま「もっと痩せたい」という美容・痩身目的だけで安易に使用することです。

厚生労働省も2026年、マンジャロやリベルサスなどを美容・痩身・ダイエット目的で安易に使用しないよう、改めて注意喚起しています。

マンジャロ・リベルサス・ウゴービ・ゼップバウンドは何が違う?

名前がたくさんあるので、まず整理しましょう。

マンジャロ

成分はチルゼパチド
GIP・GLP-1受容体作動薬で、日本では2型糖尿病の治療薬として承認されています。

リベルサス

成分はセマグルチド
飲み薬のGLP-1受容体作動薬で、日本では2型糖尿病の治療薬です。

ウゴービ

同じセマグルチドでも、ウゴービは肥満症治療薬として承認されています。

ただし「少し痩せたい人なら誰でも使える薬」ではありません。

日本で肥満症に使用する場合は、食事療法・運動療法でも十分な効果がなく、高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかがあり、

などの条件があります。

ゼップバウンド

マンジャロと同じチルゼパチドを成分としますが、ゼップバウンドは肥満症の治療薬として承認されています。

こちらも、食事・運動療法で十分な効果が得られないことに加え、肥満に関連する健康状態やBMIなどの条件を満たした人が対象です。

つまり、

「体重を減らす作用がある薬」=「痩せたい人なら誰でも使ってよい薬」

ではありません。

「医療ダイエット」なら安全なの?

「医療ダイエット」という言葉だけでは、安全かどうかは判断できません。

大切なのは、

何の薬を、どんな診断のもとで、誰に、どんな目的で使うのか。

です。

肥満症と診断され、適応を満たした人にウゴービやゼップバウンドなどを使うことは、医学的な肥満症治療です。

一方、2型糖尿病ではない人がマンジャロやリベルサスを美容・痩身だけを目的として使用する場合は、それぞれの承認された適応とは異なる使用になります。

厚生労働省は、こうした美容・痩身目的での使用について、安全性・有効性が確認されておらず、健康被害につながるおそれがあると注意しています。

痩せる薬にも副作用はある

「注射するだけ」「飲むだけ」という印象があるかもしれませんが、医薬品なので副作用があります。

GLP-1受容体作動薬やGIP・GLP-1受容体作動薬では、吐き気、嘔吐、下痢、便秘などの胃腸症状がみられることがあります。

また、薬によっては注意すべきものとして、

などが添付文書に記載されています。

「痩せる」という効果だけでなく、自分にこの薬を使う医学的な理由があるのか、副作用が起きたときに適切に対応できるのかまで含めて考える必要があります。

特に「すでに痩せている女性」は注意したい

日本では、むしろ若い女性の「やせ」が健康課題になっています。

厚生労働省によると、令和5年国民健康・栄養調査では、BMI18.5未満の女性は全体で12.2%、20〜30歳代では20.2%でした。

若い女性の低体重や極端なダイエットは、鉄をはじめとする栄養不足や将来の骨の健康などにも関係します。

「標準体重だけど、あと5kg落としたい」

「細いけれど、もっと細くなりたい」

というときほど、一度、

本当に減量が必要なのか?

を考えることが大切です。

体重計の数字を小さくすることと、健康になることは同じではありません。

体重が減ると「脂肪だけ」が減るわけではない

これはダイエット・ボディメイクを考えるうえで、とても大切なポイントです。

大きく体重が減るときには、脂肪だけでなく除脂肪量(筋肉などを含む組織)も一部減少することがあります。

肥満・過体重の人を対象としたチルゼパチドのSURMOUNT-1試験の体組成解析では、減少した体重の約75%が脂肪量、約25%が除脂肪量でした。

セマグルチドを使ったSTEP 1の体組成解析でも、脂肪量が大きく減少する一方で、除脂肪量の減少も確認されています。

これは「薬を使うと必ず筋肉が危険なほど減る」という意味ではありません。

減量そのものでも除脂肪量は減ることがあります。

だからこそ、医学的に薬を使う場合にも、

体重だけでなく、食事・たんぱく質・身体活動・筋力をどう守るか

まで考えることが大切です。

「食べられないほど効く」は、良いこととは限らない

食欲が落ちることを、

「薬が効いている証拠だから、食べなくても大丈夫」

と考えないようにしましょう。

食事量が大幅に減れば、

たんぱく質。
鉄。
ビタミン。
ミネラル。

など、必要な栄養まで不足する可能性があります。

特にすでに食事量が少ない人や低体重の人にとっては、さらに食べられなくなることが健康につながるとは限りません。

減量中だからこそ、

「何kg減ったか」

だけではなく、

必要な栄養が入っているか、筋肉を保てているか、体調はどうか

を見ることが大切です。

妊娠を考えている女性は必ず医師に相談を

この薬を使う可能性のある年代には、妊娠を考えている女性もいます。

ウゴービは妊婦や妊娠している可能性のある女性には使用せず、妊娠を予定する場合は少なくとも2か月前に中止することが添付文書に記載されています。

ゼップバウンドも妊娠中は使用せず、妊娠可能な女性には投与中と最終投与後1か月間の避妊について説明することとされています。

妊娠希望、妊娠の可能性、授乳中などの場合は、自己判断で使用せず必ず処方医に伝えましょう。

SNSや個人売買で薬を入手しない

GLP-1受容体作動薬などを、SNSやフリマサイトなどで個人間売買することは違法です。

厚生労働省は、個人間で入手した薬には偽造品や品質が劣化したもの、成分量が不明なものが含まれる可能性があるとして注意しています。

さらに、美容・痩身目的の適応外使用で重い副作用が起きた場合、国の医薬品副作用被害救済制度の対象にならない可能性が非常に高いことも厚生労働省が明記しています。

薬は必ず正規の医療機関・薬局を通じて使いましょう。

薬を使うことは「ズル」ではない

ここも大切にしたいところです。

肥満症は、単に「食べすぎ」「意志が弱い」という問題ではありません。

医学的に治療が必要な人が、医師と相談して肥満症治療薬を使うことを否定する必要はありません。

食事療法や運動だけでは十分な改善が得られない場合に、薬という選択肢が必要な人もいます。実際、ウゴービやゼップバウンドは、そのような人を対象とした治療薬として承認されています。

問題なのは、

必要な治療として使うことと、「もっと細くなりたい」だけで使うことを同じにしてしまうこと。

薬を使うか使わないかではなく、その人に必要な治療なのかで考えましょう。

Bihadaizからのメッセージ

ダイエットは、ただ体重を小さくすることではありません。

必要な人には、医療の力を借りることも大切です。

一方で、もともと痩せているのに食事をさらに減らしたり、薬で食欲をなくしたりすることが、健康につながるとは限りません。

減量中でも、

食べる。
動く。
筋肉を守る。
必要な栄養を届ける。

この基本は変わりません。

Bihadaizは、減量薬の代わりでも、肥満症を治療する食品でもありません。

国産有機丸大豆100%から生まれた大豆食品として、必要なたんぱく質を含む食品を普段の食事に取り入れる選択肢のひとつです。

体重を減らすことより、自分の体を大切にすること。

そのうえで、自分に必要な方法を選んでいきましょう。

よくある質問

Q. マンジャロは痩せる薬ですか?

マンジャロには体重減少がみられる作用がありますが、日本で承認されている効能は2型糖尿病です。美容・痩身だけを目的とした使用について、厚生労働省は安易に使用しないよう注意喚起しています。

Q. マンジャロとゼップバウンドは同じ薬ですか?

どちらも有効成分はチルゼパチドですが、日本での承認された用途が異なります。マンジャロは2型糖尿病、ゼップバウンドは一定の条件を満たす肥満症などに使用されます。

Q. リベルサスとウゴービは同じですか?

どちらもセマグルチドを成分としますが、剤形や用量、承認された用途が異なります。リベルサスは経口の2型糖尿病治療薬、ウゴービは注射の肥満症治療薬です。自己判断で代用できるものではありません。

Q. 普通体重でも医師が処方してくれれば安全ですか?

「医師が処方した」という事実だけで、その使用法の安全性・有効性が承認されていることにはなりません。何の診断で、どの適応で使用するのか、承認された使用法なのか、副作用や代替手段について説明を受けて判断することが大切です。厚生労働省も美容・痩身目的の適応外使用について注意を呼びかけています。

Q. GLP-1ダイエットを始める前に何を確認すればいいですか?

まず「自分に減量が医学的に必要なのか」を確認してください。そのうえで、薬の商品名・有効成分・承認された効能、自分が適応条件を満たしているか、副作用、妊娠予定や持病・服薬などを医師と確認しましょう。

Q. 薬を使って痩せるのは悪いことですか?

いいえ。肥満症など医学的に治療が必要な人が、適切な診断と管理のもとで薬物療法を受けることは治療の選択肢です。この記事で注意しているのは、治療の必要性を確認せず美容目的だけで安易に糖尿病治療薬などを使用することです。

注意書き

この記事は、GLP-1受容体作動薬、GIP・GLP-1受容体作動薬、肥満症治療について一般的な情報を提供するもので、個別の診断・治療や薬の使用・中止を指示するものではありません。

現在これらの薬を使用している方は、この記事を理由に自己判断で中止・増減せず、処方した医師にご相談ください。

強い腹痛、繰り返す嘔吐、脱水症状など体調に異変がある場合は、速やかに医療機関へご相談ください。

参考情報

厚生労働省「マンジャロ・リベルサスなどの2型糖尿病治療薬の美容・痩身目的での使用による健康被害にご注意ください」
厚生労働省 e-ヘルスネット「若い女性の『やせ』と健康・栄養問題」
PMDA「マンジャロ皮下注 添付文書」
PMDA「リベルサス錠 添付文書」
PMDA「ウゴービ皮下注 添付文書」
PMDA「ゼップバウンド皮下注 添付文書」
日本糖尿病学会「GLP-1受容体作動薬およびGIP/GLP-1受容体作動薬の適応外使用に関する見解」
Look M, et al. Body composition changes during weight reduction with tirzepatide in the SURMOUNT-1 study. 2025.
Wilding JPH, et al. Impact of Semaglutide on Body Composition in Adults With Overweight or Obesity: Exploratory Analysis of the STEP 1 Study. 2021.