2024.8.31
なぜ「大豆ミート」にこだわるのか。製造者の想い
大豆ミートは、お肉の代わりに食べる植物性食品だと思っていませんか?
確かに、大豆ミートが広く知られるようになった背景には、地球環境への関心や、ヴィーガン・ベジタリアンをはじめとする食の多様化があります。
そのため、「大豆ミート=代替肉」「お肉を模倣した食品」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
しかし、私たちは大豆ミートを、単なるお肉の代用品とは考えていません。
大豆ミートは、大豆のおいしさを楽しむための、新しい大豆の食べ方。
それが、私たちの考えです。
大豆ミートとの出会いは2008年
私が大豆ミートに出会ったのは、2008年です。
事業を始めたのは2011年。当時は「大豆ミート」よりも、「大豆肉」と呼ばれることが主流でした。
現在のように大豆ミートを知る方は少なく、日本ではヴィーガンという言葉を聞いたことがない方も多い時代です。
大豆から作られた食品であることを説明しても、なかなかイメージしてもらえず、大豆ミートを事業として広げていくのは簡単なことではありませんでした。
それでも私は、大豆ミートには、これからの食卓に必要とされる可能性があると感じていました。
「代替肉」として注目された大豆ミート
2015年に国連でSDGsが採択され、持続可能な社会や環境への関心が高まる中で、植物性食品や大豆ミートにも注目が集まるようになりました。
大豆ミートを知る方が増えたことは、とても喜ばしいことです。
一方で、「畜産による環境負荷を減らすための食品」「お肉を食べない人のための代替肉」という印象が強くなったようにも感じています。
もちろん、そのような目的で大豆ミートを選ぶことも、一つの大切な選択です。
しかし、私たちが届けたい大豆ミートは、お肉に似せることだけを目的としたものではありません。
大豆には、大豆そのものの香りや甘み、噛むほどに広がるおいしさがあります。
私たちは、その魅力を生かした食品を作りたいと考えています。
日本の大豆食文化に続く、新しい大豆食品
日本では古くから、大豆をさまざまな形に加工して食べてきました。
豆腐、納豆、味噌、醤油、豆乳、きな粉、湯葉など、私たちの食卓には多くの大豆食品があります。
一つの食材をこれほど多様な形に変え、それぞれのおいしさを楽しむ文化は、日本の食への探究心から生まれたものだと思います。
大豆ミートも、その延長線上にある大豆加工品の一つです。
豆腐や納豆とは形や使い方が異なりますが、大豆を食べやすく、おいしい形に変えるという点では同じです。
私たちは大豆ミートを、一時的な流行ではなく、日本の大豆食文化に続く新しい食品として育てていきたいと考えています。
長年の介護生活を通して感じた、食べることの大切さ
私は、長年の介護生活を通して、毎日の食事が持つ大切さを何度も感じてきました。
年齢を重ねると、一度に食べられる量が少なくなったり、料理をすることが負担になったりします。
食事を大切にしたいと思っていても、毎日栄養のバランスを考えながら何品も用意するのは、簡単なことではありません。
大豆には、たんぱく質をはじめ、食物繊維、ビタミン、ミネラルなど、さまざまな栄養成分が含まれています。
もちろん、特定の食品だけで健康が決まるわけではありません。
それでも、日々の食事に取り入れやすく、さまざまな料理に使える大豆食品があれば、食の選択肢を増やすことができます。
介護生活の中で食事の大切さを実感したからこそ、大豆をもっと手軽に食べられる形で届けたいという想いが、より強くなりました。
なぜ、丸大豆から作るのか
私たちが大豆ミートづくりで特に大切にしているのが、丸大豆から作ることです。
一般的な大豆ミートには、大豆から油分を取り除いた脱脂大豆を原料とするものもあります。
一方、丸大豆には、大豆が本来持っている油分が残っています。
その油分も含めて加工することで、大豆の香ばしさや、ほんのりとした甘み、まろやかな味わいを生かすことができます。
私たちが目指しているのは、お肉と見分けがつかない食品ではありません。
食べたときに、きちんと大豆のおいしさを感じられるものです。
噛むほどに、豆腐のようなやさしい大豆の味が広がっていく。
Bihadaizが大豆ミートを「豆腐の進化系」と表現しているのは、そのためです。
どのような大豆を使うかも大切に
大豆本来の味わいを生かすためには、どのような大豆を使うかも大切です。
Bihadaizの大豆ミートには、国産有機丸大豆を100%使用しています。
農薬や化学肥料などに頼らないことを基本とした有機栽培の大豆を選び、有機JASの基準に沿って製造しています。
素材の持ち味を大切にするため、添加物や溶剤を使わず、できるだけシンプルな原材料で仕上げています。
どこで、どのように育てられた大豆なのか。
どのような方法で加工されているのか。
その一つひとつを大切にすることが、安心して手に取っていただける商品づくりにつながると考えています。
大豆の味わいを生かし、使いやすい食品へ
大豆ミートを食べたことがある方の中には、
「独特のにおいが気になった」
「湯戻しや水洗いが面倒だった」
「一度食べて、それきりになってしまった」
という方もいらっしゃるかもしれません。
私たちは、大豆ミートをもっと手軽に、毎日の料理へ取り入れられる食品にしたいと考えました。
Bihadaizのソイミンチとソイスライスは、湯戻しや水洗いをせず、そのまま料理に使えます。
ソイミンチは、スープや麻婆豆腐、そぼろ、サラダなどに。
ソイスライスは、炒め物や煮物、生姜焼き風の料理などに。
普段作っている料理に加えることで、大豆の香ばしさや食感を楽しんでいただけます。
特別な料理を覚えたり、大豆ミートのためだけに下ごしらえをしたりする必要はありません。
忙しい日にも無理なく使えることも、私たちが大切にしていることの一つです。
お肉を否定するための食品ではありません
私たちは、お肉を食べることを否定しているわけではありません。
肉、魚、卵、大豆には、それぞれ異なるおいしさがあります。
大豆ミートは、お肉を食べない方だけの食品でも、すべてのお肉を置き換えるための食品でもありません。
大豆を食べたい日。
お肉を少し減らしたい日。
簡単に使える食材を選びたい日。
その日の体調や気分、暮らしに合わせて選べる食材の一つです。
食の選択肢が増えることで、毎日の食卓は、もっと自由で豊かなものになると考えています。
新しい大豆食文化を、未来へ
大豆は、日本の食卓を長く支えてきた大切な食材です。
その大豆を、現代の暮らしに合う形へ進化させ、次の世代へつないでいく。
それが、私たちの大豆ミートづくりです。
丸大豆のおいしさを生かすこと。
どのように育てられた大豆かを大切にすること。
余計なものを加えず、素材の味わいを届けること。
毎日の料理に、無理なく取り入れられる食品にすること。
これからも、こうした姿勢を変えることなく、大豆の新しい可能性を追求していきたいと思っています。
大豆ミートを通して、これまで知らなかった大豆のおいしさを再発見していただけたら、製造者としてこれほど嬉しいことはありません。
ぜひ一度、私たちの大豆ミートを味わってみてください。
これからも、新しい大豆食文化を創造し、未来の食卓へつないでいきたいと考えています。
株式会社アルファイン 代表取締役
大豆ミートスペシャリスト協会 代表
中山しげ子